京都・未在(2)

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お次は椀もの。黒い漆塗りの蓋を開けると、裏には金色の鶴の模様が。
こういうところに日本の粋を感じます。
海老進上の花びら雑煮。ぷりぷりの海老進上の上にお餅、金時人参とごぼう。
うぐいす菜、橙。枝に見立てたごぼうが真っ黒くてびっくり。どうしてこんなに黒いのか
尋ねると、銅鍋でことこと煮込むと真っ黒になるとのことでした。
お出汁も滋味深く。

次は焼き物。梅などの絵柄の染付け、まん丸のお皿です。
奥丹後黒毛和牛のあぶり焼き。やわら〜く甘いお肉。6種(だったと思う)のきのこを
のせて、実山椒のソースをかけていただきます。
この日の焼き物はお肉だったんですね。お肉もおいしかったですが、やっぱり焼き物、
お魚が食べてみたかったな〜

箸休めに京都の早堀り筍と若布の小吸い物。
さきほどのお椀とはまた違った少し甘めの吸い地。
溜塗りに雀の模様のお椀。

続いて八寸。
羽子板の形の器。小さなみかんをくり抜いた中には金子とこのわたの共和え。
お酢のゼリーがかかって、このわたも食べやすい味。
堀川ごぼうの炊いたもの。その他にも1または2種ほどのっていたと思うのですが
そろそろ記憶力にも限界が・・・

八寸の次は?と思っていたところへまたまたど〜んとたくさんの種類が盛られた
八寸が!金柑の甘露煮、葉付きのまま煮てあるのは初めてでした。金柑、すごく
美味しかった。金柑は小さな頃の記憶と深くリンクしていて、私にとっては何と
なく特別なたべものなのです。こういう小さなひとつひとつのものがとても丁寧
に味付けされていて、お腹もいっぱいになってきたけれど、心もいっぱいです。
これは何?これは?これは?宝箱を開けていく気分です。


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繊細かつ華やかな宝箱のあとは炊合わせ。
聖護院大根を焼いて煮含めたもの、金時人参、絹さや、麩、赤地鶏の丸。
粉山椒をぱらり。

最後の強肴(しいざかな)。
色鮮やかな松の形の器に雲子、生牡蠣酢ゼリー黄身おろし。
九州のアラ・・・だったかなあ?そのときは頭に叩き込んだつもりだったのに、忘れた。
焼霜造りと煮こごり。
あ〜もう最後だなんて。お腹はいっぱいだけど、とうとう終わってしまうのね・・・

飯椀に白ごはんとおこげの入った湯斗。これを飯椀に注いでいただきます。
たっぷりの香の物と一緒に。
何度もおかわりをすすめてくださったけど、もうお腹いっぱいです。

お膳がさがってデザートです。
蒸したての蕎麦饅頭。四国の蕎麦だそうです。
そして目の前でご主人がお抹茶を点ててくださいました。
使っているお水は八坂神社のご神水だそうです。年の始めにご神水で点てたお茶をいただい
たり、運良くこうしておいしいお食事をすることができたり、子供がダブルで大吉をひき当て
たり・・・今年はなんだか良い年になりそうだな〜♪
久しぶりのお抹茶でしたが、やっぱり美味しい。お腹の底からじんわりとほっと落ち着いた
気持ちがします。

お抹茶をいただいた後にもさらにデザートが!
でもお抹茶で一旦締めくくった感があるからでしょうか。ご主人もそれまでの緊張から少し
ほぐれた感じ。それまでも心地よくまったく窮屈な感じはなかったですが、場の雰囲気が
やんわりした気がしました。
だからなのか、ご主人が使っていた茶壺と茶杓がかっこいい!と気になっていた夫がご主人に
話しかけ、見せてもらっていました。少々酔っていたので粗相しないかと若干心配だったので
すが(笑)茶壺も茶杓もご主人の自作だそうで、茶杓は竹の根の自然の形そのままを生かして
あり豪快で素敵でした。

デザートは朝穫りの苺リキュールのジュレ添え、洋梨のコンポート、スイートスプリングの
ゼリー、フルーツいろいろ。

もう1種デザートお腹の具合がよろしければ?と尋ねられ、いただかない筈がない!!
りんごづくしのデザート。ソルベ、ジュレ、コンポート、砂糖漬。りんごのリキュールも使っ
て、それぞれに合った種類のりんご、3種を使っているそうです。


1日のこの3時間のためにどれだけ心が尽くされていることか。
材料選びはもちろんお店の隅々まで磨きあげて、すべてがこの3時間にぎゅうっと凝縮されて
いる。小さな空間と短い時間のなかに広い宇宙が広がっているようです。
たくさんのお店を食べ歩いたわけでも、茶道を知っているわけでもないですが、完璧、です。
完璧、完結・・・かな?
毎日このお茶事のような一期一会を続けていくのは大変なことだろうと思います。
もちろんお金を払って食事をいただくわけですが、商売とかいうのとはまったく違う次元に
存在しているお店じゃないでしょうか。
同じような金額を払ってもこれだけの気持ちを感じられないお店ってあると思うんですよね。
これだけの準備をしてくださったご主人に、私もお返しをしないといけないと思いました。
それは、残さず食べるとか、美味しいという気持ちを素直に表現する、とかなんですけど。

日々同じように仕事をしていると、こんな感じでいいかな〜と何となく惰性になってしまう
ところもあるのですが、隅々まで心の尽くされた仕事に触れることでモチベーションも上が
るし、次元の違う仕事だとしても、高みがあることを知ることで少しでも登っていこうとい
う気持ちも湧いて刺激にもなりました。あ〜ほんと行ってよかった!
また、絶対に行きます!!
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by niji-no-tane | 2011-01-18 00:14 |
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